男性による介護の実態などを語る立命館大の津止正敏教授=佐賀市のアバンセ

 男性の介護について考える講座が佐賀市のアバンセで開かれた。立命館大の津止(つどめ)正敏教授が実態を解説し、「介護のある暮らしや働き方こそが標準になるような社会システムの創造が必要では」と呼び掛けた。

 津止教授は「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」事務局長を務める。介護者のうち男性は3人に1人の100万人超に上るといい、悩みを分かち合い、後押しするようなコミュニティーの必要性から発足した経緯も説明した。

 在宅介護期間が長期化していることについて、「専門家のサポートを受けながら在宅介護を全うできる環境がまがりなりにも整備されてきた。介護する側もされる側も高齢、重度化が進んでいる」と分析。高齢者同士による「老老」、認知症患者同士での「認認」など多様な介護実態が生まれており、社会のシステム全体が問い直されていることを指摘した。

 一方で、介護の負担を感じつつも、喜びも感じる人が多かった調査結果を示し、「介護はつらくて大変だが、そればかりでもないのでは。健康な時には全く気付かれずに放置されてきた新たな価値や生きる知恵みたいなものが潜んでいるんじゃないか」と訴えた。

 講座は県立男女共同参画センター(アバンセ)が主催し、約30人が参加した。介護者経験のある男性2人による報告もあった。

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