「変化する安全保障環境と我が国の防衛政策」と題して講演した中谷元・前防衛相=佐賀市文化会館

基地問題を講演し、参加者の質問に答える福田護弁護士(右)と足立修一弁護士=15日、佐賀市の県弁護士会館

 佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画に関する講演が14、15の両日、佐賀市で開かれた。防衛省主催のセミナーでは中谷元・前防衛相がオスプレイ配備の必要性と安全性を説明し理解を求めた。一方で米軍基地の爆音訴訟の担当弁護士による講演会では、オスプレイの安全性や騒音への懸念、米軍利用の可能性について指摘した。

■中谷前防衛相「政府、米に派遣し確認」

 中谷元・前防衛相は14日、佐賀市で開かれた防衛問題セミナー(防衛省、九州防衛局主催)で講演し、佐賀空港への配備計画があるオスプレイに関して、運用に当たって安全面でルールを作ると強調した。

 中谷氏は、ミサイル開発が進む北朝鮮や、国防費が日本の3、4倍にまで伸長し日本への領海・領空侵犯も急増している中国の状況に触れた。こうした環境変化への対応として、奄美大島や宮古島、石垣島への警備部隊配置計画を紹介し、佐賀空港への計画も「離島の有事への対応部隊として佐世保に水陸機動団を置き、その移動部隊として佐賀空港にオスプレイを置きたい」と語った。

 オスプレイの安全性では、「2012年に米軍の普天間飛行場配備に先立って日本政府として評価分析チームを米国に派遣し安全性を確認した」などと説明。昨年12月の沖縄の米軍機大破事故でも、米側の再発防止策を確認したとし、その上で事故の最終報告に関し「米のルールで半年たたないと最終報告は出せないということ。半年が間もなくやってくるが、まとまったら防衛省の方からお伝えしたい」と述べた。

 その上で「オスプレイの機体納入後、運用するまで技術基準に適合するか試験して安全性を確認する」と明言した。有明海を含む佐賀県上空で空中給油訓練は行わないことも挙げた。空自の救難ヘリがオスプレイと同じ方法で空中給油を実施しており、その安全確認措置を参考にして運用法を検討するとした。

 講演会は約120人が聴講した。

■基地訴訟担当弁護士「健康影響墜落も懸念」

 自衛隊や米軍の基地について考える講演会は15日、佐賀市で開かれた。岩国基地(山口県)と厚木基地(神奈川県)の騒音訴訟を担当した弁護士が、オスプレイの安全性と空港の米軍利用に懸念を示した。

 岩国基地訴訟弁護団の足立修一弁護士は、オスプレイが起こす低周波音が「単なる騒音ではなく、三半規管に影響して圧迫感やめまいを起こす」と指摘。航空機モードからヘリモードに移行する際に500メートル近く降下するため、墜落の危険性が高まると説明した。

 第4次厚木基地訴訟弁護団の副団長を務めた福田護弁護士は、第1次訴訟が1976年に提訴されたことに触れ、「いったん基地ができれば、住民は大変な苦闘を強いられる」と強調した。日米防衛協力指針(ガイドライン)が施設の共同使用強化をうたっていることから、「自衛隊の基地になってしまえば、米軍の利用を考えないほうがおかしい」と述べた。

 出席者からの「佐賀空港は民家からある程度離れているが、騒音を気にしなければならないか」との質問に対し、福田弁護士は「距離が離れていても、飛行ルートと高度で騒音はずいぶん変わる。年間1万7千回の離着陸は相当な回数で、1回の試験飛行だけで『大した騒音ではない』とは言えない」と答えた。

 講演会は県弁護士会が主催し、約50人が出席した。

オスプレイ 配備の先に

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