放射能汚染の可能性があるけが人への対応手順を確かめながら処置をする好生館の医療スタッフ=佐賀市の県医療センター好生館

玄海原発30キロ圏に入る自治体

 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備え、今冬の再稼働前で最後の避難計画を検証する場となった3、4日の原子力総合防災訓練。住民の避難や屋内退避、避難所開設、要支援者への対応など、関係者がそれぞれ手順を確認する一方で、依然として課題も残り、「不断の見直し」の必要性が改めて浮かび上がる。参加者からは再稼働に不安の声も漏れた。

 原子力災害拠点病院でもある佐賀県医療センター好生館(佐賀市)では、病院スタッフが被ばく医療のノウハウを持つ長崎大の派遣チームと連携して、放射能汚染の可能性があるけが人の汚染拡大防止の措置や除染、治療までの手順と注意点を確認した。

 唐津市で避難中に転倒した男性2人が救急車で搬送され、1人は腕の擦り傷の箇所から1分間の放射線測定値4万cpm、もう1人が右太ももの骨折箇所から5万cpmを検出したとの想定で実施した。原子力災害対策指針の防護措置基準では4万cpmが除染の目安になっているという。

 汚染拡大や混乱防止のため、病院棟の向かい側にある車庫棟の部屋に壁や床をビニールで覆って処置室を準備し患者を迎え入れた。防護服を着用したスタッフは、注射器で患部を洗浄して測定器で放射線量を確認するという作業を繰り返しながら慎重に対応した。

 平原健司救命救急センター長は「全体的にはうまく対応できたが、実際は2人だけにとどまらないことも考えられる」と指摘、「ただスタッフが限られているので、病院全体で対応できるようにしないといけない」と課題を挙げた。

=原子力総合防災訓練=

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