多久市長選は現職の横尾俊彦氏(61)が8年ぶり4度目の無投票で6選を果たした。前回は自民サイドが支援した元市部長との接戦となったが、今回は2015年の県議選など近年の各選挙で自民系が連敗しており、対抗馬の擁立が難航し見送った。

 ただ、2年前の市議選に続く無投票という結果は、決して横尾氏に白紙委任したわけではないことは強く指摘しておきたい。地方自治を担う行政の首長と、チェック、提案する役割の議員を、市民が選択する機会を得ずに決まるのは異例だ。「平成の大合併」後、県内10市でみると、共に無投票当選となった例はない。それだけに横尾氏が言うように、より「重大な負託」を受けたことになる。

 市内の炭鉱が閉山して40年が過ぎ、人口は2万人を割り、地域経済も厳しさを増している。20年間で歯止めをかけられていない現状を受け止め、新図書館建設や温泉施設の再生を実現できるかが試金石となる。

 小城市との公立病院統合に伴う地域医療の改編も喫緊の課題だ。「民意なき市政」とならないよう、市長も議員も市民の声に耳を傾け、すくい上げなければならない。もちろん、市民も無関心とならず、市政を注視することが求められる。

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