ライフジャケットを着て船で避難し、唐津東港に到着した加唐島の島民=唐津市

 地震によって九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)で重大事故が発生したとの想定で行われた原子力総合防災訓練は最終日の4日、原発から半径30キロ圏内の住民避難を中心に手順を確認した。地震で予定していたルートが通行できず迂回(うかい)路を避難する訓練のほか、離島では悪天候で島外へ避難できない場合を想定し、放射線防護対策施設への屋内退避も行った。

 2日目は玄海4号機の炉心損傷で放射性物質が放出し、半径5~30キロの緊急防護措置区域(UPZ)の一部住民に避難指示が出たとの想定で訓練した。

 県内にある七つの離島では、県と協力協定を結ぶ県旅客船協会、水難救済会などの船舶や自衛隊のヘリによる島外避難のほか、悪天候で島外に避難ができない想定で放射線防護対策施設への屋内退避も行った。大きなトラブルはなかったが、現実に即した内容での訓練を求める声や避難を案内する防災無線が聞こえにくいとの指摘もあった。

 2日間で佐賀県内では3905人、福岡、長崎県などと合わせると約6500人が参加。事前の屋内退避訓練を含めると約3万人以上に及んだ。

 今回の訓練について山口祥義知事は「さまざまなバリエーションができた。今後も点検を繰り返していきたい」と評価した。玄海町の岸本英雄町長は「町民の参加数が足りず、半分ぐらい参加して訓練できれば安心感は大きくなる。自家用車で避難する町民も多いので自家用車を使った訓練もできれば」などと注文した。

 荒木真一大臣官房審議官は県オフサイトセンターでの会見で「課題を抽出し、本年度内にまとめたい」と今後の避難計画の改善に役立てていく方針を示した。

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