「カーニバルとサッカーさえあれば、国民は政府への不満も経済危機もすっかり忘れる」-。ブラジルの格言だが、それほど、この国とカーニバルは切っても切れない結びつきがある◆ポルトガル語で「カルナヴァル」と呼ばれるこのお祭り。日本語にすると謝肉祭で、キリスト教の復活祭に先立つ肉食を禁じた40日間(四旬節)の直前に行われる。真夏の数日間、陽(ひ)の光が降りそそぐ街は、弾ける陽気なサンバのリズムの坩堝(るつぼ)と化す◆豪華な仮装パレードで名高いカーニバルの都、リオデジャネイロでオリンピックがきょう(日本時間あす朝)開幕する。初めて南米が舞台となる記念すべき五輪だが、盛り上がりはいま一つ。こんなに気がかりな材料の多い大会も珍しいからだ◆治安やジカ熱への懸念、テロへの警戒、そして政治不安に経済危機もある。国ぐるみのドーピング問題を起こしたロシア選手団からは、少なくない人数の不参加が見込まれ水を差された感じに。とはいえ、問題のない大会などない。祭典を楽しむカリオカ(リオっ子)たちの心情は熱烈歓迎だろう◆スポーツがもたらす種は子どもたちの心にまかれ、将来の希望や夢につながる。次回東京大会では野球、ソフトボールなど新たな種目が仲間入りという朗報も届いた。4年後も見据え、日本選手団の活躍に期待をしたい。(章)

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