自分たちで栽培した野菜や果物を路上で販売し、現金収入につなげる女性たち=2013年、スリランカ・ティッサマハラマ市

現地の女性たちと村づくりについて話し合うワークショップ=2014年、パラオ・エサール州

愛未来の竹下敦子理事長。26日からのパラオ行きには佐賀大生も同行し、現地の文化や現状を肌で感じてもらう=佐賀市の佐賀商工ビル

 国際協力に取り組むNPO法人「愛(あい)未(み)来(らい)」(佐賀市)が活動を始めて20年を迎えた。スリランカやパラオで女性の自立に向けて農産直売所の開設、自然・文化・観光を産業に結びつけた「エコツーリズム」を支援してきた。互いの文化を理解し合い、心豊かな社会に-。そんな思いで、少しずつ歩みを進めている。

 団体をけん引してきたのは、元県職員で在職中から国際協力に携わっていた竹下敦子理事長(71)=佐賀市。1997年、農業研修で来日していたスリランカの青年から貧しい経済状況を聞き、力になろうと「日本スリランカ愛未来(あみら)協会」を設立した。以前から縁のあったパラオでの活動も合わせ、2008年にNPO法人化した。

 スリランカで活動し始めた頃は、現地の希望に沿って奨学金による教育支援を手掛けた。ただ、同国にも助成制度があり、竹下さんは「家庭を一軒一軒見て回った結果、子どもの教育環境を整えるには、親の働く場を確保することが課題だと分かった」と振り返る。

 法人化後は特に母親の自立支援に取り組み、スリランカ・ティッサマハラマ市で現地の人たちとワークショップを開いて問題点を洗い出した。自宅で栽培する農作物を週に1、2回販売することで現金収入につなげ、水牛の乳製品を生産する設備も整えた。パラオ・エサール州でも同様に協議を重ねてエコツーリズムを始め、現在は日本の財団と連携する動きも出てきた。

 活動が認められ、昨年夏に「社会貢献者表彰」、今年3月に「アジア貢献賞」を受賞した。ただ、取り組みはいずれも道半ば。竹下さんは「一方的にアイデアを提供するのではなく、現地の人の自主性を重んじないと定着しない。すごく時間はかかるけど」と話す。

 愛未来の会員は約30人で、年間数百万円の事業費は会費や寄付、助成金で多くを賄っている。海外での協力者のさらなる確保も今後の課題だ。

 外国人の人口増加率が全国トップの佐賀県にとっても「多文化共生」は身近なテーマ。愛未来は県内でもスリランカ料理教室などを開き、参加者には「自分なりの国際協力として何できるか」と問い掛けている。

 竹下さんは「一人一人が自国や他国について考えて交流も深まれば、差別などもなくなっていくと思う。そうした経験のある人が佐賀で一人でも増えてくれれば」と願う。

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