本物の投票箱に候補者名を記入した投票用紙を入れる白石高の生徒=白石町の白石高

両候補者の主張を元にグループ内で意見を交わす白石高の生徒ら=白石町の白石高

■主権者の責任実感

 架空の自治体の市長を決める模擬選挙を体験する授業が14日、白石町の白石高であった。救急車有償化を争点とする2候補の訴えを聞き、個別に投票して開票作業まで実施する内容。全校生徒約470人が選挙の流れを学ぶとともに、主権者としての責任の重みを体感した。

 同校が県弁護士会や県・白石町の選挙管理委員会から協力を得て実施。弁護士会のメンバーが「佐弁市」の救急車有償化を訴える「新谷まさる」候補と無償維持を掲げる「いまが良子」候補を演じ、市長選を体験させた。

 新谷候補は、救急車の出動要請増加や軽傷での利用が大半であることなどを理由に、「条例を制定し有料化にかじを切る時」と主張。いまが候補は「軽傷か重傷かの判断は素人では困難」とし、119番の適切な利用周知などで適正化は可能とした。討論では、いまが候補の「有料化すれば、お金のない人が呼ぶのをためらう」との指摘に対し、新谷候補は「本当に必要とする時に料金を理由に呼ばないなど起こりえない」と反論した。

 生徒たちはそれぞれの主張を基に、グループでの話し合いを経て自分の意見をまとめた。投票は、事前に投票所入場券を配ったり、白石町選管から借りた記載台や投票箱を使うなど実際の選挙とほぼ同じ流れと道具で実施。教諭らも投票した。受付事務や開票作業も一部の生徒が担った。

 結果はいまが氏が314票、新谷氏が175票を獲得し、いまが氏が当選。吉田俊介弁護士は「当選者が公約を実行するか、私たちがチェックする必要がある。投票に行ったから終わり、ではない」とまとめた。

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことに合わせ、同校では昨年度から、県弁護士会や町選管に講演などを依頼し主権者教育を始め、本年度はより実践的な形で取り組んだ。鹿晃聡さん(17)は「もともと18歳になったら選挙は行くつもりだったが、自分の考えに沿う人に投票する重要性をより強く感じた」と話していた。

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