4年に1度のスポーツの祭典「リオデジャネイロ五輪」がいよいよ開幕を迎えた。日本選手団は前回のロンドン五輪から倍増の14個の金メダルを目指しており、メダルラッシュへ期待が高まる。

 南米大陸で初めての開催であり、ブラジルにとっては発展めざましい大国としての存在感をアピールする好機のはずだった。だが、大統領が職務停止に追い込まれるという異例の状況もあって、開催準備は遅れに遅れた。治安やジカ熱のまん延を不安視し、一部のトップ選手が出場を見送りもした。ここまでのところ、運営の不手際や不安要素ばかりが目立つ。

 世界各地にテロが拡散する中で開かれる五輪でもある。選手が競技に集中し、観客が安心して観戦できるよう、国際オリンピック委員会(IOC)と、ブラジル政府には万全の対応を求めたい。

 ロシアによる国ぐるみのドーピング問題も影を落とす。世界反ドーピング機関(WADA)が突き止めたロシアの実態は、スポーツに対する冒とくと言っていい。結果的に大半のロシア選手の出場が認められたが、果たしてフェアでクリーンな競技ができるのか、疑問や不安は拭えないままだ。

 そもそも、ロシアのドーピング問題は早い段階から懸念材料に挙がっていた。開幕ぎりぎりになってWADAは、ロシア選手の出場を認めないようIOCに求めたが、あまりにも遅すぎた。

 一方で、リオから始まる、五輪にふさわしい試みもある。

 中東やアフリカから難民が大量に流出している現状を踏まえて、初めて結成された「難民五輪選手団」である。難民キャンプなどの厳しい環境に置かれながら夢を諦めなかったアスリートたちが五輪旗の下で参加することになった。苦境に立ち向かいながら競技にかける姿は、難民にはもちろん、さまざまな苦難の中にいる人々に大きな勇気を与えるだろう。

 日本代表選手の活躍も楽しみだ。体操男子のエース内村航平選手に、競泳男子の萩野公介選手、バドミントン女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀選手の“タカマツペア”らに金メダルの期待がかかる。日本のお家芸・柔道もある。

 金メダル候補では、佐賀市出身のテコンドー・濱田真由選手には、何としても世界の頂点をつかんでもらいたい。前回のロンドン五輪で5位、昨年の世界選手権では日本人初優勝を果たしている。プレッシャーをはねのけて、存分に闘ってほしい。

 郷土選手では、今大会から新たに採用された7人制ラグビーの副島亀里ララボウラティアナラ選手も忘れてはならない。フィジー出身で、佐賀で働きながら競技を続ける苦労人アスリートである。

 日の丸を背負って闘う選手たちに、地球の裏側からも大きな声援を送りたい。

 開幕直前、東京大会の追加種目が決定した。日本のメダルが期待できる野球やソフトボール、空手などが含まれたのは喜ばしい。4年後を見据え、じっくりと選手強化を進めていく必要がある。

 2020年の東京大会を成功に導くために、いかに選手強化や大会運営を進めるか。その教訓を引き出す意味でも、リオ五輪が実り多い大会であってもらいたい。(古賀史生)

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