8日で開館20周年を迎える佐賀市立図書館

 佐賀市立図書館(園田正広館長)は8日、開館20周年を迎える。「市民と共に育つ図書館」を基本理念に地域の人材育成にも取り組んできた一方、ネットの普及による利用者の減少という課題も抱える。昨年度の本館入館者数はピーク時の約6割となる51万6千人に落ち込み、初年度(8カ月間)を除き過去最低となった。5年ぶりに改定したサービス計画に電子書籍貸し出し導入を盛り込むなど、より身近で利用しやすい図書館を目指す。

 市立図書館は1996年8月、資料保存の役割が大きい県立図書館に対し、市民のニーズに応える図書館としてオープンした。蔵書数は県内の市立で最も多く、6分館6分室を合わせ80万冊に上る。利用者が本を手に取りやすいよう、本館蔵書の4分の3を開架に並べている。

 活動は本の貸し出しにとどまらない。読み聞かせボランティア養成講座や対面朗読ボランティア養成講座などを年間31件開き、本を通した社会貢献も行う。

 独自に会報を作成し図書館の広報を担うボランティア団体「図書館を友とする会・さが」の園部節子代表は「講座は人の輪ができるきっかけになっている」と評価しつつ、「短期雇用の嘱託職員の司書が多く、専門性や利用者との関係が育ちづらい」と話す。

 本館入館者数と貸出点数は年々減少を続け、大きな課題となっている。入館者数はピークだった2002年度の90万6千人に比べ15年度は57%にまで減少した。貸出分を年代別でみると、10~20代の割合が16・5%(14年度)で低いとし、担当者は「ネットで調べ物が済む時代に、図書館の価値をどうやって伝えるべきか」と悩む。

 スマホやタブレットの普及、活字離れなど時代の変化に対応するため改定した5年間の第2次サービス計画は、ネット上の仮想図書館での電子書籍貸出サービスを視野に入れる。「行くと楽しい図書館」を掲げ、所有する本と映像を使った読み聞かせ上映会やグループ学習ができる交流ゾーンを設置する案も示す。

 担当者は「より気軽に使ってもらえるよう態勢を整え、来館しない層の利用促進も狙う」と意気込む。園田館長も「入館者数や貸出点数は図書館の存在意義を図る一つの数値」とし、「自然と人が集まる、本がある広場のような場所にできたら」と展望を語った。

 市立図書館では6、7の両日、20周年記念セレモニーを開く。バルーン搭乗体験やアルモニア管弦楽団によるコンサートなどを催し節目を祝う。

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