国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門差し止めを認めた17日の長崎地裁判決に関し、山本有二農相は18日の閣議後会見で、「控訴する、しないというのはまだ決めていない」と述べ、控訴期限の5月1日までに法務省などと連携して判断する考えを改めて示した。訴訟に補助参加している開門派の漁業者らは同日までに、判決を不服として福岡高裁に控訴した。

 国は2010年の福岡高裁の確定判決に基づく開門義務を負うものの、開門を認めなかった長崎地裁の仮処分決定と今回の判決により実施できない状況が続く。国が控訴を断念した場合は補助参加人の漁業者らの控訴は認められず、一審判決が確定する。

 山本農相は判決の受け止めを問われ、「もとより(開門を命じた確定判決と)相反する判決だ。判決のみで全てをうまく解決できず、和解が必要。そうした意味で国としての努力を重ねていきたい」と強調した。菅義偉官房長官も会見で「現在、関係省庁で判決内容を詳細に分析している段階だ」と、国として方針を固めていないと説明した。

 漁業者らの弁護団は「国はこれまで最高裁の統一的判断を求めるなどの立場を表明しており、控訴権を放棄するのは矛盾する。和解協議の実現のため、真摯(しんし)に控訴審で訴訟活動するよう求める」などと訴えた。

 開門調査を求めている山口祥義佐賀県知事は18日の定例会見で、「判決は本当に残念。国は自ら(開門を命じた)高裁判決を受け入れたのだから、控訴してもらえると信じている」との考えを示した。長崎地裁での和解協議にも言及し、「開門しないことを前提としたのは非常にバランスが悪く、協議の入り口の段階では疑問。今後はフラットな土俵を期待したい」と注文した。

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