土用干ししている梅干し

 朝夕に少しずつ秋の気配が感じられるようになりました。今年は、日本各地で連日連夜の真夏日、熱帯夜、局地的な豪雨や竜巻、落雷、河川の氾濫など、昨日までの平穏な日々を一変させる自然の力を見せつけられた夏でした。豊かな自然に恵まれた日本だからこそ守り続けられた伝統行事、食文化、風習が変わる日がいずれやってくるかもしれません。

 「土用」とは、一年を24等分した二十四節気をさらに細かく補うため季節の変わり目に割り当てられたものです。年に4回巡ってきます。今年の夏は、目まぐるしく変わる天気と相談しながら梅、衣類、書籍などの土用干しをしました。衣類や書籍に梅雨の間にたまった湿気を天日に当てて取り除くのです。

 大切なものをカビや虫食いから守る先人の知恵。市販されている防カビ剤や防虫剤などは、手軽で便利。効果も抜群ですが、化学物質過敏症の原因になることもあります。自然の恵みを生かす土用干しは手間はかかりますがエコ。

 毎年たくさんの実をつける梅は6月に塩漬けにして赤シソと共につけて置きました。天気と相談した三日三晩の土用干しで、太陽の紫外線の効果で殺菌された梅の塩漬けは皮も実もやわらかいおいしい梅干しに変身しました。保存容器に入れっぱなしにしていた乾物もザルに移して天日干し。大切な着物や洋服ひと手間かけて蔭干しをして、湿気や虫から守ります。

 田植えの後、土用の時期に3日~1週間程田んぼの水を抜くのも、田んぼの土が乾燥して、ひび割れして、風に負けずにしっかりと稲穂が根を張るための知恵です。稲穂の実る時期にやってくる台風の影響を最小限にするための先人たちの知恵とひと手間。アナログの強さを実感した夏でした。(地域リポーター・岩田雅予=大和町)

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