前回は尿もれを手術で治す方法について書きましたが、予想以上にたくさんの反響をいただき、こんなにも尿もれで悩む方がおられたのだと驚いています。しかし、尿もれの手術は全ての方に効果があるわけではありません。今回はそのあたりを再度説明したいと思います。

 一口に尿もれといっても、その原因はさまざまです。中高年の女性に多く見られる尿もれ(尿失禁)は、大まかには「切迫性尿失禁」「腹圧性尿失禁」、あるいはその両方を併せ持つ「混合性尿失禁」に分かれます。

 切迫性尿失禁とは、いわゆる過活動膀胱(ぼうこう)でトイレに間に合わないタイプのもれです。これは主に膀胱の圧がおしっこを出すために急に高くなり、強い尿意が出るためのもれで、圧を抑えるための薬を使って治療をするのが効果的です。

 手術で治療ができるのは腹圧性尿失禁で、咳やくしゃみをしたり、重いものをかかえるような動作をしたり、飛び跳ねたりするような運動をした時に、もれるような症状が出ます。混合性尿失禁の治療は切迫性と腹圧性のどちらの症状が強いかでも分かれますが、どちらの症状も強い時は、例えば手術をして薬も使うといった治療をすることもあります。

 また、日帰りでも手術が可能というお話を書いたためか、初めて受診したその日に手術を受けられるのだと思って来られた方もいらっしゃいました。残念ながら尿もれの手術は、採血やレントゲン検査などのようにすぐ終わるほど手軽ではありません。手術の前には、尿もれや現在の排尿機能を評価する検査を行い、患者さんごとに適切な治療法、手術法を選んでいきます。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

このエントリーをはてなブックマークに追加