スマートフォンをチェックする馬場京花さん。よく使うのはLINEとツイッターで、気の合う友人らとやりとりをする=佐賀市の佐賀女子短大

■居心地よさと見えぬ真意

 バイトから自宅に帰った午後10時すぎ、ポケットのスマートフォンが鳴った。画面をのぞき込むと、通信アプリ「LINE」(ライン)に書き込みがあった。

 「正月、佐賀におる?」

 「バイトあるけど、時間つくるよ」

 佐賀女子短期大学1年の馬場京花さん(19)=佐賀市=は素早く返信した。書き込んだ相手は、上京した高校時代の友人だった。

 スマホを持つようになったのは中学2年のころ。ある朝、「友達との会話についていけないことに気づいた」。クラスメートの半数が所有し、宿題や学校行事の情報を共有したり、遊ぶ連絡を取り合ったりしていた。親にこうした様子を伝えると、すぐ買ってもらえた。仲間に加われたうれしさもあり、夢中になった。

 空いた時間があればスマホに手が伸びる。よく使うのはLINEと短文投稿サイトのツイッター。やりとりするのは幼なじみや同級生にとどまらない。「気が合いそう」「ジャニーズ好きが一緒」と感じ、投稿をフォローするようになった、会ったことのない「友達の友達」も少なくない。「こうしていると、みんなとつながっていると実感できる。だからホッとする」。孤独感や疎外感を感じずに済む居心地のいい人間関係がある。

 物心ついたときからインターネットを操る「デジタル・ネーティブ」と呼ばれる世代にとって、こうしたコミュニケーションの道具は定番だ。内閣府が2014年にまとめた青少年インターネット利用実態調査によれば、高校生の9割以上、小学生も3割以上がスマホを所有している。

 言葉に加え、表情やしぐさ、声のトーン…。さまざまな要素で成り立つ対人コミュニケーション。成人までの20年間は主に学校で同世代と接し、この能力を育んでいく。言葉に限られてくるネット上の会話は、思いや真意が伝わらず、ぎくしゃくするときもある。

 「何で返信しないの?」。馬場さんのLINEにあるとき、しびれを切らした友人からメッセージが届いた。「私のタイミングで返信したいときもあるのに…」。心にさざ波が立った。

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