東京電力は16日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内を本格調査するため、カメラと線量計を搭載した自走式ロボットを初投入したが、圧力容器直下の作業用足場に到達できなかった。炉心溶融で溶けた核燃料(デブリ)の実態把握には至らず調査は失敗した。ロボットは途中で走行できなくなる不具合が発生し、回収しないまま格納容器内に残した。

 デブリ取り出しは廃炉作業の最大の難関とされる。前段となる本格調査でつまずいたことで、東電が抜本的な計画の見直しを迫られるのは必至だ。デブリの実態把握が進まなければ、政府や東電が描く取り出しプランの遅れにつながる可能性もある。

 東電によると、ロボットは前後にカメラがあり、サソリのように後部が反り上がり撮影角度を変えることが可能。温度も測定できる。午前7時50分ごろに投入し、機器交換用レールに残る堆積物の上を走行したが、圧力容器直下への入り口まで3メートル前後の位置で進めなくなった。左の走行用ベルトも動かなくなった。

 約4時間、遠隔操作用ケーブルを巻き上げて引っ張るなどして前進を試みたが、調査継続は困難と判断。午後3時すぎにケーブルを切断した。

 圧力容器直下への入り口から約3メートル手前の空間放射線量は毎時210シーベルトだった。事前調査で画像のノイズから毎時650シーベルトが推定されたのとほぼ同じ位置といい、東電は「推定と実測の値の差が出た理由は調べる」としている。同じ地点の温度は16・5度で、これまで測定された格納容器内の温度と同程度だった。

 東電は「外部に影響を与えず安定した調査ができた。次につながる大きなヒントが得られた。ロボットを回収しない選択肢は当初から想定しており、失敗とは考えていない」としている。

 ロボットは、国際廃炉研究開発機構(IRID)と東芝が開発。調査は2015年夏の開始を目指していたが、格納容器の貫通部の除染などに時間がかかっていた。

 2号機では、1月下旬から、パイプに取り付けたカメラやサソリ型ロボットとは別の堆積物除去用ロボットを投入して内部を撮影。作業用足場に、デブリの熱でできたとみられる1メートル四方の穴など複数の脱落箇所が見つかり、広範囲に堆積物がこびりついていた。【共同】

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