調査した魚から検出したマイクロプラスチック(京都大提供)

 海に漂う微細なマイクロプラスチックを体内に取り込んだ魚が東京湾や大阪湾、琵琶湖など国内の広い範囲で見つかり、調査した魚全体の4割に上ったとの結果を、京都大の田中周平准教授(環境工学)らのチームが5日までにまとめた。【共同】

 マイクロプラスチックは、レジ袋やペットボトルなどが紫外線や波で砕かれてできた大きさ5ミリ以下のごみ。汚染は世界の海に広がっているが、日本も深刻な状態にあることが示された。環境中の化学物質を吸着しやすいため、田中准教授は「魚など海洋生物への影響を調べる必要がある」と話す。人が食べた場合は体外に排出されるとみられている。

 チームは2016年10~12月、女川湾(宮城県)、東京湾、敦賀湾(福井県)、英虞湾と五ケ所湾(三重県)、琵琶湖(滋賀県)、大阪湾で調査。計197匹の魚を採取し、消化管を調べると4割に当たる74匹からマイクロプラスチック計140個が見つかった。検出率が最も高かったのは東京湾のカタクチイワシで約8割に達した。次いで大阪湾のカタクチイワシが5割近く、女川湾のマイワシが4割だった。

 カタクチイワシやマイワシは、吸い込んだ水をえらでろ過してプランクトンを食べるため、餌と一緒にマイクロプラスチックを飲み込んでいるらしい。こうした魚からは5割強で見つかり、アジなど他の食べ方をする魚の約2割を大きく上回った。

 マイクロプラスチックは総重量が同じでも、一つ一つのサイズが小さいほど吸着した化学物質の量が多くなる。今回の調査は大きさ0・1ミリ以上が対象で、田中准教授は「より小さいサイズも調べたい」としている。

■毎年800万トン海に流出

 マイクロプラスチックの汚染が広がる背景には、1950年代に始まったプラスチックの大量生産がある。欧州の業界団体によると、世界の生産量は2015年に3億2200万トンに達した。

 海には毎年、少なくとも800万トンのプラスチックが流れ込むと見積もられている。海のプラスチックごみは50年までに、重量換算で魚の量を超すとの予測もある。

 海に流入後、一部は波や紫外線で細かくなる。一般に大きさ5ミリ以下のものがマイクロプラスチックと呼ばれ、洗顔料に使われるマイクロビーズも含まれる。いったん環境中に出ると回収が極めて難しく、人間の生活圏から遠く離れた南極海でも確認されている。

 マイクロプラスチックは、国際的課題として先進7カ国(G7)の間でも注目を集める。今年のG7環境相会合の成果文書には、発生源対策としてレジ袋など使い捨てプラスチックの削減を進めることや、モニタリング手法の共通化に取り組むことが盛り込まれた。

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