国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)は5日、2018年の世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)の構成資産が登録にふさわしいかどうかを確認するため、長崎で現地視察を始めた。調査は14日までの予定。

 イコモスが派遣したオーストラリア人の調査員は5日、構成資産の一つで、江戸時代初期にキリシタン農民らが一揆を起こした「島原の乱」の舞台となった「原城跡」(長崎県南島原市)を訪問。カメラで撮影しながら、同行した県の担当職員らから保全状況などの説明を受けた。

 調査員は、幕末期に潜伏キリシタンが訪れて外国人宣教師に信仰を告白した「大浦天主堂」(長崎市)も視察した。

 潜伏キリシタン関連遺産は、キリスト教弾圧の中で信仰を続けた集落などを中心に構成している。日本政府は15年に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の名称で登録を推薦。だが、イコモスは、禁教期の信仰に焦点を当てるべきだと指摘。政府は長崎県内の2資産を除外し、今年2月に再推薦した。イコモスは今回の調査を踏まえ、来年5月ごろにユネスコへ勧告。世界遺産委員会が来夏、登録の可否を最終審査する。【共同】

 ■長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 16世紀中期に日本へ伝来したキリスト教を、江戸時代の禁教下でひそかに信仰し続けた人々にまつわる集落や史跡からなる。日本政府は国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ、計12の構成資産を世界文化遺産に推薦している。長崎県は、現存する国内最古の教会で幕末の1864年に建てられた国宝「大浦天主堂」(長崎市)、平戸地区や五島列島の集落など、11資産を抱える。熊本県天草市には畳敷きの教会を中心とした崎津集落がある。

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