諫早湾干拓の開門問題をテーマにした朗読劇を上演する俳優陣=佐賀市のエスプラッツホール

 有明海の環境異変や諫早湾干拓事業の開門問題をテーマにした朗読劇「有明をわたる翼」が11、12の両日、佐賀市のエスプラッツホールで上演された。佐賀県内での公演は初めてで、「宝の海」を取り巻く人間や渡り鳥が言葉を交わすファンタジーの要素を取り入れながら、開門訴訟に踏み切る原告団の思いや有明海再生の願いを伝えた。

 物語は、有明海で漁業を営む家族や渡り鳥の視点で進んだ。漁獲が激減して廃業する漁師も出る中、国に開門を求める訴訟を起こすべきと主張する家族と、干拓工事が貴重な収入源になっていることから敵に回すべきでないと主張する家族が対立。地域が分断される様子や、賛同者が出てくる過程も表現した。1時間の上演後、拍手が湧いた。

 「演劇企画フライウェイ」が主催した。海洋生物学者で有明海の環境問題に取り組む飯島明子さん(神田外語大学准教授)が製作し、漁業者側弁護団事務局長の堀良一弁護士も脚本を担当している。

 熊本市から訪れた熊本大3年の藤永真美さん(20)と山下葵さん(20)は「人間や鳥の視点で語られていて面白かった」「諫早湾のニュースは見たことあるけれど、どういう経緯や問題があるのか理解しやすかった」と話した。

 飯島さんは「佐賀で上演できたことは本当にうれしい。お客さんの温かい反応がうれしかった」と述べた。

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