原子力規制委員会は19日、九州電力玄海原発1号機(東松浦郡玄海町)など運転から40年以上経過して廃炉が決まっている全国4原発5基の「廃止措置計画」を認可した。東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた新規制基準で運転期間を原則40年と定めて以降、廃炉が認められたのは初めて。九電は佐賀県や玄海町の事前了解を得た後、完了までに28年間要する廃炉作業を開始する。

 九電は2015年12月、全国に先駆けて計画を規制委に申請した。計画は工程を4段階に分け、第1段階の解体工事準備期間では21年度までに原子炉周辺の汚染状況を調べ、放射性物質を除去する。第2段階以降に原子炉周辺設備や本体の解体を進めるが、解体に入る前に再度、規制委で具体的事項を審査、認可する。

 廃炉費用を約364億円と見積もり、これまでに331億円を積み立て、全額自己資金で賄う。九電は申請時、計画認可を16年度内と見込んでいたが、17年度にずれ込んだ。ただ、43年度に最終的な全ての施設の撤去を終える計画自体に影響はないとしている。

 廃炉に伴って発生する放射性廃棄物は3千トンと推定し、放射能レベルに応じて処分する考えだが、処分先は決まっておらず、想定通りに作業が進むのか不透明な状況だ。規制委は地下埋設に関する規制の整備を進めている。田中俊一委員長は「安全確保は規制委の責任だが、廃棄物をどうするかは事業者や推進官庁の問題」と説明している。

 玄海3、4号機は再稼働に向けた手続きが進んでおり、田中委員長は「廃止措置には大きな工事が伴うので、運転する炉への影響は十分注意してほしい」と求めた。廃炉作業に関しては「事故を起こさないことが一番大事で、使用済み核燃料や放射能レベルの高い廃棄物の始末といった大きなリスクから速やかに対処していけば、安全に作業を進められる」と話す。

 他に計画認可されたのは関西電力美浜1、2号機(福井県)、日本原子力発電敦賀1号機(同)、中国電力島根1号機(島根県)。原発の運転期間は規制委が認可すれば1回に限り最長20年延長でき、美浜3号機と高浜1、2号機(福井県)は運転延長が認められている。

 4年後の21年3月に運転開始から40年を迎える玄海2号機の存廃について、九電は検討を進めている。

■知事「一つ一つ関与」 九電「安全最優先で」

 原子力規制委員会による九州電力玄海原発1号機(東松浦郡玄海町)の廃止措置計画認可について、玄海原発の視察中に伝えられた佐賀県の山口祥義知事は「長い期間の手続きになるので、同じ思いを持ち続けるための努力が必要」と強調した。

 九電の瓜生道明社長は、山口知事との会談の中で1号機の廃止措置計画の認可を報告し、「安全最優先で取り組みたい」と述べた。

 それに対して山口知事は、廃炉作業に関し「事前了解事項になると思うので、われわれが一つ一つ関与しながらやっていく」との認識を示した。その上で「30年、40年、50年と長い期間の手続きになる。九電も佐賀県庁もDNAとしてつないでいかないといけない」と訴えた。

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