リオ五輪初日は日本勢にとって会心のメダルラッシュとなった。金1個に銅4個。これから出場する選手へ励ましとなるはずだ。最もすがすがしかったのは競泳男子400メートル個人メドレーで優勝した萩野公介選手と3位瀬戸大也選手が抱き合った瞬間だろう◆同学年で小学生から競い合った二人の関係は昔のドラマのタイトル「振り返れば奴(やつ)がいる」のようだ。前回五輪銅メダルの萩野選手が世界ランク1位で絶対的なエースなら、瀬戸選手は世界選手権2連覇と大舞台に強いチャレンジャーだ◆萩野選手の談話が印象的で「レース前もレース中も大也のことを考えていた」という。手を抜くことを許さないライバルの存在が努力の源となったのだろう。瀬戸選手も彼の背中を追うことで世界との距離を縮めた◆鎌倉時代の仏教説話集『沙石集』に「光あるものは光あるものを友とす」という言葉がある。才能を認め合うことから始まる友情だ。萩野選手は昨年、右肘を骨折しているが、瀬戸選手は復帰に向け励ました。表彰台で二人は誰もがこんな友を持ちたいという笑顔を見せた◆引退した北島康介さんの穴を簡単に埋めるほど競泳陣の層は厚い。子ども対象のスイミングスクールが全国で充実しているのも背景にあると思う。二人もまだ大学4年生。彼らの勝負は4年後の東京五輪へ続く。(日)

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