バンコク郊外のスワンナプーム国際空港に到着した山辺節子容疑者=18日(共同)

 熊本県警は19日、企業への融資名目で違法に資金を集めたとして、出資法(預かり金の禁止)違反容疑で国際手配した山辺節子容疑者(62)=同県益城町出身=を、逃亡先のタイから空路移送中の機内で逮捕した。詐欺容疑も視野に捜査し、ほかに複数人が勧誘に関わったとみて、事件の全容解明を進める。

 県警によると、「東芝など大手企業が資金繰りに困った際につなぎの融資として出資する」との誘い文句を使っていたといい、同様の手口で、北海道から宮崎県までの少なくとも70人から計7億円を集めていたとみて、慎重に裏付けを進める。

 逮捕容疑は、元本保証と25%の配当金を約束し、2014年11月~15年9月、東京の会社役員の男性(55)から計2500万円を、他の男女と共謀して名古屋市の会社役員の男性(52)から計4300万円を預かった疑い。山辺容疑者は「間違いない」と容疑を認めているといい、県警は20日に送検、男女も書類送検する。

 男女自身も出資したことがあり、県警はさらに複数人が紹介者として関与していたとみている。紹介者となった場合は、額に応じて3~7%の紹介料を山辺容疑者から約束されるケースもあり、男女も金を受け取っていたという。

 山辺容疑者は3月30日、1月に入国したタイで、不法滞在していたとして、出入国警察の捜査官に逮捕されていた。

 19日朝、羽田空港で国内線に乗り換える際には、グレーのパーカを頭からかぶり、数十人の報道陣の問い掛けには応じずうつむき加減に歩いた。

<益城町に豪邸、「自由奔放」山辺容疑者>

 投資話を持ち掛け違法に資金を集めたとして出資法違反容疑で国際手配され、19日逮捕された山辺節子容疑者(62)は、熊本地震で大きな被害を受けた熊本県益城町の出身。山あいの小さな集落に十数年前に新築された2階建ての豪邸で暮らし、高級車に乗る姿も目撃されていた。ただ最近は近所付き合いもなく、「海外に滞在して拘束されたなんて」と驚く人もいた。

 地震で被災し解体や修復中の家屋が点在する中、山辺容疑者が暮らしていた住宅は外観上、目立った被害はみられない。近所の男性は「どこからお金を得ていたのかと近所でうわさになっていた」と話す。

 複数の近隣住民によると、山辺容疑者は一人っ子で「自由奔放で思うままに生きてきたような人だった」。結婚して子どももおり、熊本市内でスナックを経営。知人によると、会社社長や政治関係者との交友関係もあり「多額のお金を預けトラブルになった人もいた」と話す。ただ、4年ほど前に車庫のシャッターが何者かに傷つけられる被害があり、2年ほど前から姿を見掛けなくなったという。(共同)

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