安倍晋三首相は17日の衆院予算委員会で、2017年度末までに待機児童をゼロにするとの目標の達成を事実上断念する考えを示した。保育士の確保に向けた昇給制度の導入などに取り組んできたが、子どもを預けて働きたいという保育需要の高まりには追い付けていない現状を認めた格好。野党は、首相が訴えていた主要政策がつまずいたと批判を強める構えだ。

 首相は「厳しい状況になっているのは事実」と述べ、目標を達成できない理由について「(安倍政権の取り組みにより)働く女性が見積もり以上になった。政策効果があった上、労働市場の状況が予想以上に改善された」と説明した。民進党の山尾志桜里氏への答弁。

 12年末に政権に復帰した安倍首相は13年4月、「成長戦略の中核を成す」として5年で保育定員を40万人分増やし「待機児童ゼロ」を目指すと掲げた。実際、受け皿整備は1年前倒しで当初目標の40万人分を達成する見通しだ。

 ただ、保育需要の伸びは大きく、施設利用は近年、年10万人前後のペースで増加している。13年4月時点で2万2741人だった全国の待機児童数は、16年4月時点で2万3553人となり、むしろ増えた。

 保育需要の増加には、景気回復による企業の採用増のほか、政府、自治体が待機児童対策に力を入れる中、従来なら保育利用を諦めていた人が申し込むようになったという事情もある。【共同】

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