組織犯罪を計画段階で処罰できる「共謀罪」の構成要件を厳しくした「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、法務省は17日までに、正当な活動を行っていた団体でも目的が一変した場合は処罰の対象になるとの見解を明らかにした。16日の衆院予算委員会理事懇談会で文書を示した。

 政府は法案を3月10日に閣議決定する方向で調整していることが17日、関係者の話で分かった。対象犯罪を原案の676から277に減らし、今国会に提出する方針。今後、どういった場合を「目的が一変した」に当たると判断するのかが議論になる。

 政府はこれまで「組織的犯罪集団」という適用要件があるため「一般の方々は対象にならないような法案を検討している」と説明していた。

 菅義偉官房長官は17日の記者会見で、一般市民は処罰対象にならないとの政府見解に関し「全く変わらない」と明言。安倍晋三首相は同日の予算委で、オウム真理教を例に「当初は宗教法人として認められた団体だったが、犯罪集団に一変した」と指摘。「一変した段階で(構成員が)一般人のわけがない。対象となるのは明確だ」と強調した。

 金田勝年法相は2日の予算委で「団体の意思決定に基づき犯罪行為を反復継続して行うというような、団体の性質が一変したと認められなければ組織的犯罪集団と認められることはない」と答弁していた。

 政府が2003~05年に提出した組織犯罪処罰法改正案は適用対象を単なる「団体」と規定。犯罪の謀議に加わっただけで処罰される内容だったため「市民団体や労働組合の活動がターゲットになる」と批判が出て、過去に3度廃案になった。今回の政府原案は対象を組織的犯罪集団に限定。拳銃の購入資金調達といった犯罪の「準備行為」も要件に加えた。

 金田法相は17日の予算委で「裁判所による審査が機能しており、捜査機関による恣意(しい)的な運用はできない仕組みになっている」と述べた。

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