<雄々しくネコは生きるのだ/尾をふるのはもうやめなのだ>と始まる、故・井上ひさしの詩「なのだソング」。飼い猫の証しである鈴を外し、自分の力で凛(りん)と生きようとする姿勢がほほえましくも、すがすがしい◆先日の内閣府の世論調査で、現在の生活に満足している国民が過去最高を記録した。「満足」と「まあ満足」を合わせると、実に7割を超えている。景気の緩やかな回復傾向が背景としてあるようだが、ちょっと気になる項目があった◆高い満足度の一方で「悩みや不安を感じている」と答えた人も6割を超えている。その理由に「老後の生活設計」を挙げた人が群を抜いて多い。これほど老後に対する不安が高まったのは、年金制度など社会保障への信頼がぐらついているからではないか◆日本人の平均寿命が延びるにつれて、年金の支給開始年齢はどんどん先送りされ、その額もしっかり受け取れるかどうか怪しい。かつての年金改革で「100年安心」などという触れ込みもあったような記憶があるが、あれはまさか悪い冗談だったのか。目の前の現実はずいぶんお寒い気がする◆冒頭のネコは<なんとかかんとか生きるのだ/どうやらこうやら生きるのだ/しょうこりもなく生きるのだ>と力強く決意する。<決して死んではならぬのだ>-。私たちも見習って生きるのだ。(史)

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