楠久・津歴史ふれあい館のオープンに尽力したまちづくり実行委員会のメンバーと塚部芳和市長(右から2人目)。日本の近代化に貢献した郷土の歴史を誇るパネル展示などが用意されている=伊万里市山代町

 伊万里市山代町の楠久、楠久津両地区にまたがる歴史遺産の情報発信の拠点となる「楠久・津歴史ふれあい館」が18日開館し、現地で記念式典があった。江戸時代に佐賀藩の軍船を管理する「御船方(おふなかた)」が置かれて以来、貿易や軍事で栄え、明治の近代化を支えた港町の郷土の誇りを後世に伝える決意を新たにした。

 楠久、楠久津は、1642(寛永19)年に佐賀藩が海上交通の要衝であった伊万里湾の抑えとして、番所を整備。両地区には船奉行宅地や本陣、寺社、港湾施設などの史跡が約50カ所にわたって点在する。

 「ふれあい館」は、戦後まもなく建造されレトロな趣を残す佐賀銀行楠久出張所跡地を改装した。郷土の歴史をつづったパネル展示や史跡を巡る地図を置いて観光客に歴史散策の発着点としてもらおうと、官民一体で整備を進めてきた。

 記念式典では、地元住民でつくる「楠久・津まちづくり実行委員会」の樋口國昭委員長が「世界遺産登録された三重津海軍所(佐賀市)のルーツともなった佐賀藩の軍港で、かつてたくさんの船が行き来した歴史を誇りに思い、後世に伝えることが我々の課題」とあいさつ。地元の本光寺の小島宗光住職が、焼き物とともにハゼの和ろうそくの生産、輸出で得た資金を大砲・軍艦の購入や人材育成に使い、近代化の原動力とした郷土史を紹介した。

 同館は当面は土、日曜日に開館し、スタッフが常駐する。

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