予想を上回るペースで患者の利用が続いている九州国際重粒子線がん治療センター「サガハイマット」=鳥栖市原古賀町

■九電12年度以降は“凍結”

 予想を上回るペースの患者が利用している九州国際重粒子線がん治療センター(愛称・サガハイマット、鳥栖市)。3年連続で黒字を確保し、「年間患者数が800人を超えれば、経営面でも安定する」と見込む。2016年度末現在、整備資金の目標額150億円に対し「162億5千万円を資金調達した」としている。ただ、この中には当初想定しなかった融資分28億7千万円、九州電力が寄付を約束した39億7千万円を含んでいる。九電は12年度以降、業績悪化を理由に寄付を見送り、全額の寄付には至っていない。

 施設の運営財団や佐賀県は「公益財団法人なので、借金がないことが理想型」と前置きした上で、返済が15年の長期にわたること、稼働初年度(8月末~)の13年度に約5億円の赤字となったものの、14年度約7300万円、15年度約8600万円、16年度も約8700万円の黒字を確保していることなどから「累積赤字がある状況ではなく、経営面の影響はない」と説明している。

 一方で、「リーマンショックや東日本大震災などにより、日本全体の活力が喪失してしまい、思わぬ状況も生じた」とし、安定経営のためホームページなどを通じ幅広く寄付を募る。

 16年度末現在の資金の調達状況の内訳は、補助金38億8千万円(佐賀県28億3千万円、福岡県5億9千万円、鳥栖市4億4千万円、久留米市1千万円、県市町村振興協会1千万円)で、当初予定していた20億円の倍近くになった。寄付は当初目標88億5千万円に対し、65億7千万円。出資29億3千万円、融資28億7千万円となっている。

 九電は12年4月、佐賀新聞社の取材に「初年度分は支払い済み」と説明しているが、ハイマットも九電も寄付額に関しては「相手方があることであり、明らかにできない」としている。16年度も寄付金の入金を見送った九電は、今後について「収支状況と相手方の状況をみて、総合的に判断したい」とする。

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