山林の計画的な管理体制を整え、良質の木材生産を目指す伊万里木材市場の林雅文社長=伊万里市

 木材卸売、加工販売の伊万里木材市場(伊万里市、林雅文社長)は、山林を受け継ぐ子ら後継者から間伐などの管理を請け負う事業を始めた。相続放棄などで管理が行き届かなくなる山林も増えており、長期的な保全・管理体制を整えることで良質な木材を生産する。切り出した木材の売り上げの一部は家族に還元し、荒廃が進む山林の再生を目指す。

 管理を請け負うのは、山林所有者が信託契約を結んだ子や妻らが対象で、同社が植林から間伐、木材販売までを担う。森林組合が所有者に代わって山林を管理するケースはあるが、後継者と委託契約を結ぶのは全国でも珍しいという。

 輸入材の増加などで国産材の価格は低迷。林業の担い手不足などで山林の荒廃が進み、相続を巡るトラブルも増えているという。スギやヒノキなどの標準的な伐採適期は約50年とされるが、山林の所有者が代われば新たに委託契約を結ぶ必要があり、長期的な管理が課題になっている。

 対象地域は、林業が盛んな県西部を中心に九州全域を想定。委託契約期間はスギ林で45年程度を見込み、他の樹種にも対応する。同社は木材の売り上げから人件費などの経費や手数料を徴収し、残りを委託者に支払う。

 同社は2008年に森林整備事業に参入し、15年には国産材を使った住宅用部材の供給会社を鹿児島県に設立した。住宅メーカーに販売するなど独自のサプライチェーン(調達・供給網)を構築している。

 新事業は国産材の安定調達の一環で、今後3年間で300人、約3500ヘクタール分の管理受託を目指す。林社長は「面倒な山林管理を一任してもらい、質の高い国産材を市場に供給する事業モデルを確立したい」と話している。

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