1時間に50ミリ以上の大雨が降る頻度が、1970~80年代に比べ3割程度増加していることが14日、気象庁の統計で明らかになった。地球温暖化との関連が指摘されており、短時間で一気に降る大雨は災害を引き起こす危険性がある。

 気象庁の統計では、降水量が1時間に50ミリ以上だった回数はアメダス千地点あたり、76~85年の10年間は年110~230回で、平均すると173・8回だった。2007~16年は年169~282回、平均は232・1回と33・5%増加していた。

 アメダスは1970年代後半から本格的に全国で運用が始まった自動観測所。統計が始まった76年の約800地点から現在は約1300地点に増加しているため、気象庁は千地点当たりに換算してまとめている。

 気象庁は1時間に50ミリ以上80ミリ未満を「非常に激しい雨」、80ミリ以上を「猛烈な雨」としている。滝のように降り、傘が役に立たなかったり、水しぶきで視界が悪くなったりする雨の強さだ。土砂災害のリスクが高まり、都市部ではマンホールから水があふれる浸水害が発生しやすくなる。

 温暖化と大雨の関係は完全には解明されていないが、平均気温が上がると、飽和水蒸気量という大気が蓄えることができる水分の量が多くなる。雨が降る回数は少なくなるが、ひとたび雨になるとその大量の水分が地表に落ちることになり、大雨になりやすいとする学説もあるという。

 7月5、6日の九州北部の豪雨では、福岡県朝倉市のアメダスで、1時間に129・5ミリという7月としては全国で歴代4位の記録的な雨を観測した。気象庁の橋田俊彦長官は記者会見で「雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している。新たなステージだと捉えて対応していく必要がある」と、現在は難しい短時間で降る大雨の予測精度の改善など対応を進めていく考えを示した。【共同】

■積乱雲の発生予測困難 7月九州豪雨でもできず

 大雨を降らせる原因の一つ積乱雲がいつどこで発生するかを正確に予測することは現在の予報技術では難しい。

 「九州北部でこれだけの雨が降ると、的確に予想できていなかった」

 多数の犠牲者が出た7月の九州北部の豪雨で、気象庁の梶原靖司予報課長は大分県に大雨特別警報を出した5日夜に会見し、大雨の原因となった線状降水帯の発生が予測できなかったことを明かした。

 気象庁はこの日早朝、島根県に大雨特別警報を出し、広島県や山口県にも注意を呼び掛けていた。だが梅雨前線の南下に伴い、午後に記録的な豪雨となったのは福岡県朝倉市、東峰村や大分県日田市だった。

 短時間の大雨は、台風を除けば、積乱雲が原因であることが多い。今回の豪雨を降らせた線状降水帯も、連続発生した積乱雲が連なって形成されるものだ。積乱雲は強い上昇気流で発生し、高さ十数キロにもなって雷を伴った大雨を降らせ、30分から1時間程度で消滅する。上空に冷たい空気、地上には暖かく湿った空気の層がある大気の状態が不安定なときに発生、発達しやすい。

 ただ、不安定な地域の中でも、いつどこで積乱雲が発生するかは風向きや地形の細かな条件に左右されるため、事前に予想するのが難しい。気象庁は、予報に使うコンピューターを使ったシミュレーションの精度を向上させるなど、対策を進めている。【共同】

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