多久八幡神社と三本杉=多久市多久町

 多久市多久町東の原の多久八幡神社は建久4(1193)年、源頼朝の御家人だったとされる多久太郎宗直が鎌倉の鶴岡八幡宮の若宮八幡を勧請して創建したと伝わる、歴史ある神社です。ここには、「八幡神社の三本杉」と呼ばれる巨木があり、多久市の天然記念物に指定されています。

 樹高35メートル、幹回り5.15メートル、枝張り15メートルで、市内最大、県内でも屈指の巨木です。樹齢は約700年と推定されています。「三本杉」とはいうものの、3本の杉が植えられて添うように大きくなったのか、1株から3本に分かれたものか、または1株から2本に分かれ、もう1株で3本になったのかははっきりしません。江戸時代後期の記録には「100年前、脇にあった六地蔵が根に巻き込まれ今はない」と記されており、300年ほど前にはかなりの巨木であったことが分かります。まっすぐな幹を見上げると青々とした葉が茂り、生命力にあふれています。

 多久八幡神社は江戸時代、干ばつの年は雨乞いをし、春には五穀豊穣(ほうじょう)を祈願、稲に害虫が発生すると虫除けの祈願を行うなど地域の神様として大切にされてきました。神殿は建築様式や彫刻に桃山期の特徴を留め、佐賀県重要文化財に指定されています。

志佐 喜栄(多久市郷土資料館)

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