インターンシップに参加した大学生(右)に、プログラム開発を指導するエンジニア=7月下旬、オプティム東京本社

 夏休みに入り、大学3年生を対象にしたインターンシップ(就業体験)が本格化している。学生の売り手市場で多くの企業が人材確保に苦心する中、佐賀県内でも実施する企業が増えてきた。地元就職率の向上を目指す大学も単位認定型のインターンシップを増やし、学生の受け入れに消極的だった中小企業との連携を強化している。

 ソフトウエア開発のオプティム(本店・佐賀市)は、東京都の本社で7月25日からインターンシップを始めた。9月中旬まで1~2週間の日程で、学生20人が既存サービスの開発や市場調査など、実際に開発や企画の現場に入って業務を体験する。「IT農業」の連携事業の一環で、佐賀大生限定のコースも今年から新たに募集している。

 経団連が採用日程を繰り下げた昨年、早期に学生と接触しようとインターンシップを行う企業が増えた。しかし採用につながらなかった企業もあり、今年は期間を短縮する動きもみられる。オプティムは2008年から夏季インターンシップを続けており、担当者は「実践的な内容で毎年採用できている。雰囲気を知ってもらうことでミスマッチも減らせる」と効果を語る。

 地域貢献を目指す大学もインターンシップに力を入れる。佐賀大学は理工学部と農学部で実施してきた単位認定型の取り組みを本年度から拡大し、8月から県内の中小企業約20社に学生を派遣。10月からは日本マイクロソフトや県などと佐賀市に開設する施設で学生に学ばせる。来年度からは経済学部にも単位認定型を拡大する計画だ。

 地元就職率向上を目的に同大など産学官でつくる協議会は、本年度の重点目標にインターンシップの強化を掲げる。大学のアンケートによると、県内勤務を希望する学生は多いものの、「そもそも企業を知らない」などの理由で県外での就職を考える学生が目立つ。

 佐賀大学全学教育機構の五十嵐勉教授(59)は「県内で働きたいと考えている学生は潜在的にかなりいる。県内企業が関心を持てば、インターンシップに参加する学生は増える」と中小企業への働き掛けを強める。

 一方、規模の小さい企業にとっては、学生の受け入れは可能でも、現場を巻き込んだ実践的なプログラムを組むのは簡単ではないという現実も。ある企業の採用担当者は「現場には人員的な余裕がない。業務を体験させるのではなく、見せる形にならざるを得ない」と苦しい胸の内を明かす。

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