カシの巨木に登ってツリーハウス整備に励む尾前一日出さん=宮崎県椎葉村

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■奥深い大自然満喫して

 宮崎県椎葉村の中心部から車で西へ30分。九州山地の険しい山に囲まれた尾前地区で、雄大な自然を体感できるトレッキングコースづくりが進んでいる。

 中心人物は同村で設計会社を営む尾前一日出さん(56)。周辺の山を狩猟で歩き回ってきた「山の専門家」だ。4年前に地元有志と約10ヘクタールの人工林を里山に戻す取り組みを開始し、歩道や展望台も整備してきた。

 現在はコース途中の巨木に高さ7メートルのツリーハウスを建設中。「滑車を使いワイヤロープを降りる『ジップライン』や五右衛門風呂も作りたい」。アイデアを次々に語る姿は少年のようだ。

 尾前さんは中学卒業後は村外に出て生活。仕事のストレスを抱えて古里に帰る度に、豊かな自然に癒やされたという。40代前半で帰郷し、5年前に村ツーリズムネットワーク会長に就任。「村外の人に奥深い大自然を満喫してほしい」とイベント開催に情熱を注ぐ。

 「山の日」(11日)には整備済みのトレッキングコース(2キロ)でツアーを企画。完成したばかりのツリーハウスや「岩戸」と呼ばれる洞窟などを約2時間かけて周遊する。熊本地震後1カ月は、宿泊客が例年の7割減となった同村。尾前さんは「体験メニューをさらに増やして観光客を取り戻したい」と前向きに語る。

【メモ】11日のトレッキングツアーは昼食付きで参加費3000円(中学生未満1500円)。午前10時に村中心部の椎葉民俗芸能博物館駐車場に集合。椎葉村観光協会、電話0982(67)3139。

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 熊本地震から4カ月。九州・沖縄の各県紙記者が、元気あふれる地域にしたいと奮闘している夏の観光仕掛け人を紹介する。

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