原爆投下時刻の午前11時2分に合わせ、黙とうする同級生や関係者=伊万里商高の橘岡同窓会館

慰霊碑に向かって手を合わせる在校生ら参列者たち=佐賀市の佐賀商業高校

■伊万里商高

 学徒動員中の長崎市に原子爆弾が落とされ、13人が犠牲となった伊万里商業高(熊谷正実校長、当時は伊万里商業学校)では9日、原爆投下時刻の午前11時2分、同級生5人と遺族や学校関係者ら計40人が慰霊碑に向かって黙とうをささげた。

 同級生代表で追悼の言葉を述べた中野隆三さん(86)=伊万里市=は、犠牲になった学友に「君たちの分まで長生きし、機会あるごとに戦争の苦しさむごさ、悲しさを語り、二度と過ちを繰り返すことがないよう訴え続けていく」と誓った。また、オバマ米大統領の広島訪問に触れ、「謝罪の言葉こそなかったが、黙とうする彼の顔を見ていて気持ちが伝わってきた」と評価した。

 生徒会長の山崎陽平さん(18)は「志半ばで命を落とした先輩たちの魂が安らかになるような世の中を築くことを誓いたい」と語った。

 伊万里商では生徒約150人が1945年2月から長崎市の三菱兵器製作所大橋工場に動員され、8月9日には予科練志願者や病気療養者らを除く約80人が市内にいた。そのうち13人が被爆が直接的な原因で亡くなった。

■佐賀商高

 71年前に学徒動員先の長崎市で被爆した佐賀商業高(徳永清成校長、当時は佐賀商業学校)の犠牲者5人の原爆慰霊祭が9日、同校で開かれた。犠牲になった生徒の同級生や教職員、生徒ら約80人が参列し、原爆投下時刻に黙とうをささげ、慰霊碑に手を合わせて尊い命を弔った。

 慰霊祭は同級生が行ってきたが、高齢化のためおととしからは同校の同窓会が主催している。これまで20数年来、慰霊祭を世話してきた斉藤実さん(87)は、参加した生徒に向けて「クラブ活動や勉強に取り組めず、命を落とした先輩方がいることを忘れないで」と訴えた。

 斉藤さんはオバマ大統領が米大統領として初めて被爆地広島を訪問したことや核廃絶を訴えたことにも触れ、「並々ならぬ決意を感じたが、遠い道のりになるだろう。小さな力だが、核廃絶の実現に向け、このような機会を通して平和の大切さを伝えていくことが大切」と話した。

 生徒会長の角町太聖さん(17)は「一瞬の閃光(せんこう)によって命を失った先輩がいることを忘れず、人と人が憎しみ合う戦争はあってはならない」と誓った。

=平和学習特集=

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