16日撮影された北朝鮮・豊渓里にある核実験場の衛星写真(デジタルグローブ/38ノース提供・ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】米軍がサイバー攻撃を通じて北朝鮮のミサイル発射実験を妨害しているとの見方が広がっている。ミサイルが空中分解したり軌道がそれたりするケースが多発。日本時間16日に発射したミサイルも直後に爆発しており、19日付のニューヨーク・タイムズ紙は「妨害した可能性が高い」と報じた。

 同紙によると、2014年に当時のオバマ大統領が、ミサイル発射を妨害するサイバー攻撃の強化を国防総省に指示。北朝鮮では昨年、中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射失敗が続き、計8回の実験で成功は1回だけ。失敗率は88%に上った。金正恩朝鮮労働党委員長が、米軍の関与やスパイがいないか調査を命じたとされる。

 米国は、イスラエルと共に開発したとされるコンピューターウイルス「スタックスネット」を使い、イランの核施設でウラン濃縮に使う遠心分離機を制御不能にさせたことがある。

 一方、航空宇宙学者ジョン・シリング氏は、北朝鮮のミサイル自体のプログラムはインターネットから隔離されていると指摘し「サイバー攻撃の対象にするのは困難だ」とし、米軍の干渉に懐疑的だ。専門家らは、ミサイル製造工場をハッキングして部品などに欠陥を生じさせることは可能かもしれないとしている。

 ペンス副大統領は訪問先の日本でCNNテレビの記者に北朝鮮へのサイバー攻撃について質問された際、「米軍の能力に関してはコメントできない」と述べ、否定も肯定もしなかった。その上で16日のミサイル発射は「失敗だった」と断じた。

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