国土地理院が作成する地形図などの紙地図の販売が、2016年度は計47万2951枚と、記録のある1946年度以降の最低を更新、最高だった81年度の約910万枚の約20分の1まで激減したことが20日、販売を担当する日本地図センター(東京都目黒区)の調べで分かった。

 国土地理院の紙地図は、全国を2万5千分の1(4419面)と5万分の1(1291面)でカバーする地形図が主で、ほかに20万分の1地勢図などもあり、書店などで購入できる。国土の基本情報として官民各種事業から教育、登山や街歩きなどの趣味まで、さまざまな用途で使われてきた。同センターの田代博常務理事は「データのデジタル化が進み、パソコンやスマホで簡単に地図を検索できるようになったことや、学校で本物の地形図を使う先生が少なくなったことも大きい」と分析する。

 16年度の実績をみると、紙地図販売の8割を占める2万5千分の1で最も販売枚数が多かったのは北アルプス「穂高岳」の1921枚で、前年度よりほぼ半減。「武蔵御岳」1733枚、「京都東北部」1667枚など人気観光地が続く。例年「穂高岳」に次いで2位だった「槍ケ岳」は29位と順位を落とした。

 5万分の1のトップは大阪府「岸和田」の1847枚(全体でも2位)。岸和田市が中学1年の社会科の副教材として生徒全員分を毎年購入しているのが貢献している。

 田代さんは「一覧性に優れ、災害時などバッテリーを気にせず使える紙地図の役割は依然として大きい。販売落ち込みで入手困難になっては残念だ」と話している。【共同】

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