その日は大雨だった。開店前の朝6時半すぎに中年の男性が「開いている? 入ってもいい?」と言って、店内をぐるっと回って商品を見ると、800円のサングラスを買っていった。東京・豊洲。1974(昭和49)年5月、コンビニのセブン-イレブン国内第1号店の幕開けである◆900人が来店し、初日の売上高は50万円。今の中堅コンビニ並みはある。ダイエー創業者の中内功氏もお供の人を連れて店を視察し、ジュースを買った。新しい業態の店がいかに注目されていたかの証左である。店主の山本憲司さんが『セブン-イレブン1号店 繁盛する商い』(PHP新書)に書いている◆その後のコンビニの急成長は言うまでもない。2019年度をめどにそのセブンが沖縄に進出するという。コンビニ大手では最後になるが、47都道府県全てにセブンの店ができる◆国内のコンビニ店舗数は5万6千店。人手不足もあり出店は鈍化しているが、日々の買い物だけでなく、預金の引き出し、公共料金の支払い、プレイガイドと便利さを享受している私たちだ。今や1人暮らしや高齢者を支える重要な都市インフラでもある◆コンビニのない時代を知るだけに、ありがたみを感じ、働くスタッフに感謝したくなる。お客に寄り添い、ライフラインとしての重みは増していくことだろう。(章)

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