監察車から後押しを受けながら、中継所を目指す西松浦郡チームの前田美樹選手=22区、唐津市八幡町

 趣味で走っていた主婦が18日、県内一周駅伝に挑戦した。3年前にマラソンを始め、今回、西松浦郡の22区(2・5キロ)にエントリーされた前田美樹選手(34)=八幡金属=。選手確保に苦しむチームの「手助けになれば」と、初めての駅伝で力走を見せた。1面参照 

 中学、高校時代、ソフトボールやバレーボールに親しんだものの、陸上の経験はなかった前田選手。走り始めたきっかけは運動不足解消だった。3年前、1カ月で100キロ歩いた友人に感化されて自分も挑戦。達成すると、14年のさが桜マラソンでフルマラソンにエントリーした。

 このチャレンジが走ることに力を入れる契機となった。練習不足による5時間35分44秒の結果に「もっと頑張っていたら、早くゴールできた」と意欲が再燃。月に200キロ走るなど練習に力を入れ、半年後の下関海峡マラソンではタイムを1時間以上短縮した。「走った分だけ成果が出る」と楽しさを見いだした。

 今大会には、高校の同級生で西松浦郡のコーチを務める松尾隆央さん(35)に声を掛けられた。昨年、趣味で走っていると伝えると練習会に誘われ、女子選手不足の悩みを聞いて「人助けのつもり」で承諾した。

 もっとも、最初は出場できるとは考えていなかった。「遅いし、控え」のつもりだった。ところが女子のエースと期待された栗田希望選手(鳥栖工高)がけがで欠場。思わぬ形で初出走することになった。

 18日。この日が十三回忌の法要だった祖母に心の中で手を合わせ、大会に臨んだ。「おばぁちゃんには申し訳なかったけど、『いいよ』って言ってくれるよね」。レースでは緊張はしたが、思い切り走ることができた。

 ただ、「たすきをつなぐ」という目標は、今回果たせなかった。ラスト500メートル付近で次の中継が繰り上げスタート。「完全にはやりきれなかった」。悔しさが心の中に芽生えた。

 レース前は「今年だけでいいかな」と思っていたという前田選手。だが「来年もまた、力になりたいという意欲が湧いてきた」。再び西松浦郡で肥前路を駆けるべく、健脚に磨きを掛けるつもりだ。

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