天守台跡に立ち、太閤が睨みし海を睨む

■手つかずの凄さ

 先月末、肥前名護屋を訪れた。漫画や大河ドラマで安土桃山時代にハマっている愚息の夏休み自由研究のお題は「文禄慶長の役」とのこと。そのリサーチのために彼の地に飛んだのでした。

 主役は彼。「この暑さの中を殊勝な…」とお言葉を頂きそうですが、昨夏も岐阜県関ケ原古戦場を巡っており、こんな感じが僕らの「夏休みのお決まり」だったりするのです。

 昼すぎに現地に。紺碧(こんぺき)の空と海、そして緑濃き城跡が私たちを迎えてくれた。当初、オゾンの多い空気は心地良かったが、気温は40度近く、あっという間に滝の汗、速攻でフラフラの軽い熱中症状態に。名護屋城跡に関わる史跡各所は起伏が激しく、特に大名陣跡巡りはさながら過酷なマラソンの様相だった(都合40の陣跡を2日間でクリア!)。

 が、それ故に、築城前には小城(こじょう)しかなかった漁村に短期間で世界有数の都市を創り上げた古人の、そう、豊臣秀吉の凄(すご)みを体感できたことも事実だ。

 愚息は、といえば、崩れた石垣を、各所に散らばる瓦の破片を、そして、玄界灘に浮かぶ壱岐をじっとみていた、否、睨(にら)んでいた。何を思っていたのか。いずれにせよ、現地を自らの足で踏破する、その意義を感じてほしい、そう思い私は彼を見つめていた。

 交通至便とは言いがたい名護屋。それ故にストーリーのある、希有な歴史資源が手つかずで遺(のこ)っている。またそれらを熱量高い地域の有志たちがしっかりと守っていることも素晴らしい。

 此処(ここ)には隣町の烏賊(いか)に負けない魅力がある。もっと「やれる」余地がある。無責任ながら「唐津の奥座敷」としての磨き上げを提案したい。如何(いかが)だろうか。

 むらた・まさとし 東京都出身、世田谷区在住。ポニーキャニオン勤務。唐津に魅せられ、その魅力を新聞、雑誌、ブログを通じて発信している。49歳。

カット書字は牧山桂子さん

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