政府は10年間程度の防衛力整備の指針として2013年末に閣議決定した「防衛計画の大綱」を前倒しで改定する方向で検討に入った。トランプ米大統領との日米首脳会談で確認した同盟強化のため、一層の防衛力増強が必要と判断した。北朝鮮の核・ミサイル開発や東・南シナ海での中国の海洋進出への対処を重視する。政府関係者が18日明らかにした。

 14~18年度の5年間の装備品導入や費用の詳細を定めた中期防衛力整備計画(中期防)を継ぐ次期中期防は、18年後半の作成を想定。これと連動した新大綱づくりが見込まれている。

 自民党国防部会と安全保障調査会は今月3日、防衛力整備を協議する合同勉強会を開始した。6月にも新大綱や次期中期防を見据えた提言をまとめる。政府は与党内の意見を踏まえ、国家安全保障会議(NSC)や有識者も含めた検討を本格化させるとみられる。

 安倍晋三首相は北朝鮮の核・ミサイル開発を「新たな段階の脅威」と位置付け、米政権も圧力を強める構え。弾道ミサイル防衛の能力向上を目指し、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」や、地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」の自衛隊導入などが具体的な課題となる。

 首相とトランプ氏は今月の日米首脳会談で「強固な同盟」の重要性と、双方の防衛力強化を確認した。日本政府は安全保障関連法に基づく日米協力の深化とともに、米国製の防衛装備品の購入拡大も含め、対応を検討する。新大綱と次期中期防で、将来的な日本の防衛費増額を明示するかどうかも焦点になりそうだ。

 現大綱は、陸海空の各自衛隊を機動的に運用する「統合機動防衛力」を新たな基本概念に掲げた。沖縄県・尖閣諸島を含む南西諸島での活動を念頭に、離島奪還作戦を担う「水陸機動団」を新設。米軍の新型輸送機オスプレイの自衛隊導入を見据えた新部隊創設を盛り込んだ。中期防はオスプレイ17機や水陸両用車52両、無人偵察機3機の整備を計画している。【共同】

=ズーム=

■「防衛計画の大綱」と中期防 「防衛計画の大綱」は政府が10年程度の長期間を見越して定める防衛力の整備、維持、運用に関する基本指針。1976年に初策定され、95年、2004年、10年に新たな大綱を決定した。第2次安倍政権は民主党政権下での大綱を見直し、13年12月に現在の大綱を閣議決定した。「中期防衛力整備計画(中期防)」は防衛大綱に基づき、5年ごとに詳細な部隊規模や経費を明示している。現行の中期防は14~18年度分をカバー。その後は次期中期防策定が必要となる。

このエントリーをはてなブックマークに追加