ユリ根を使った「ゆり菓子」の再興に取り組む佐賀市婦人林業研究会のメンバーたち=佐賀市富士町の富士大和森林組合

 佐賀市富士町古湯地区の銘菓「ゆり菓子」を特産として再興し、林業者の収入向上につなげようと、市婦人林業研究会(古賀萬喜子会長、80人)が原料のユリ粉作りに取り組んでいる。かつては自生するウバユリの根をつぶして使っていたが、労力が必要なため現在はかたくり粉が主流。古賀会長は「ユリ粉は滋養があり、離乳食のとろみ付けなど用途も広い。地域の宝に育て上げたい」と商品化を目指している。

 ユリ粉は、らっきょうのような形状のユリ根をすりつぶし、2日間水にさらして沈殿させた真っ白な粉。かつては菓子の原料に使われ、湯治客の「栄養源」にもなっていたという。

 収穫から加工まで手間暇がかかるものの、会員から「100%ユリ粉の菓子を復活させたい」との声がたびたび上がり、今年に入って活動を本格化。「田植え時季にユリ根を掘った」という年配者の記憶をたどり5月に収穫、20キロの根から5キロの粉を精製した。

 専門の研究機関でユリ粉の成分分析を進めたところ、カロリーが低く、カリウムや鉄分などのミネラルが豊富なことが分かった。血糖値を下げる作用や、糖尿病にも有効とされる多糖類のイヌリンが含まれている可能性もあることから、西九州大学(神埼市)の協力を得て研究を進めている。

 東京の物産展で試作品を販売するなど改良を重ね、菓子以外の商品化も視野に効率の良い加工法を模索している。古賀会長は高齢化で担い手不足に悩む林業の現状を挙げ、「地域にあるもので新たな収入を生み出す仕組みをつくりたい」と話す。

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