■軽症のうちに受診を

 男性に比べて女性がかかりやすい病気があります。例えば骨粗しょう症、けんしょう炎、甲状腺炎などです。なぜこのような差が出るのかについて、遺伝子や体の構造、女性ホルモンなどの影響が指摘されています。ここでは、しびれや痛みを起こす手と手首の問題を紹介します。

 手根管症候群、ばね指、ドケルバンけんしょう炎は、中高年女性や乳児の世話をする人に多くみられます。手根管症候群は寝起きのしびれや痛みが強いのが特徴です。手を振ったり、指を曲げ伸ばしすると症状が楽になります。他にボタンが留めにくい、不意に物を落とすなどの症状もあり、日常生活がままならなくなります。

 初期では消炎鎮痛剤やビタミンB12などの内服薬、安静(装具)などの治療が行われます。ばね指は寝起きの手のこわばりや手指が痛くて曲げづらい、あるいは引っ掛かって伸びないなどの症状がみられます。これには湿布や消炎鎮痛剤入りの軟こうなどが処方されます。最後にドケルバンけんしょう炎では、手首親指側の痛みや腫れ、物をつかめない、親指に力が入らないなどの症状がみられます。はじめは安静(サポーターなど)、鎮痛薬の投与などが行われます。なお、授乳中は薬の成分が赤ちゃんに影響を与えることがあるかもしれません。市販薬も含め医師や薬剤師にご相談ください。

 最初はちょっとした痛みかもしれません。家事や育児、仕事を休めないと我慢していると、気付いたときには重症化して手術が必要になることもあります。手を使い過ぎないこと、ストレッチで疲労回復を図るなどして手のしびれや痛みを予防しましょう。家事や育児、仕事のやり方を見直すことも大切です。

 産後と中高年期は手と手首の問題において危険な時期です。「少しの痛みは我慢するものだ」という考えはナンセンス。軽症のうちに手の外科の専門医を受診しましょう。

(佐賀大学医学部看護学科・生涯発達看護学講座 佐藤珠美教授)

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