県産大豆の収量アップに向けて、試験圃場で栽培技術の検証を進める県やJAの関係者=佐賀市西与賀町(2016年11月)

 佐賀県が転作の基幹作物とする大豆の収量が低迷している。2016年産の県産大豆の10アール当たり収量(反収)は148キロで、ピーク時の02年産(293キロ)から半減。かつては日本一を争ってきたものの、減少に歯止めが掛からず、全国14位に落ち込んだ。集中豪雨や記録的な猛暑による生育不良が主な要因だが、生産の大規模化で農地管理が行き届かなくなっていることも影響している。

 「播種(種まき)は時間との戦いだが、作付面積が広く、雨のたびにさらにずれ込んでいく」。小城市芦刈町の7~11ヘクタールほどの農地で大豆を栽培する平野裕さん(45)は頭を抱える。

 播種の適期は7月上旬の10日間ほど。梅雨の貴重な晴れ間を生かしての作業となるが、最近はゲリラ豪雨などの天候不順も重なり、「作業は年々難しくなっている」と平野さん。以前よりも収量が落ち込んでいるという。

 昨年は7月下旬から8月にかけて、最高気温35度以上の猛暑日が続いた。梅雨明け後に終日雨が降ったのは1日だけで、県農産課は「高温乾燥による生育不良も響いた」と分析する。

 県産大豆の反収は、07年産から13年産まで200キロ台で推移。08年産からは4年連続で全国トップになった。水田を水稲作と麦・大豆の転作作物で交互に利用するブロックローテーション(田畑輪換方式)で連作障害を抑えてきたが、11年産から6年連続で前年実績を割り込み、この2年間は全国平均も下回っている。

 反収減の背景には、生産者の高齢化や担い手不足による農地の規模拡大もある。「作業効率を優先せざるを得ないため、排水対策などの技術面や農地の管理が行き届かない生産者が増えている」と県農産課。県やJAは昨年から専門職員による巡回指導を強化、土壌の改良や播種作業を容易にする重機の導入も推進している。

 遺伝子組み換え作物など外国産に対する安全性への不安などから、国産大豆の需要は高い。県産は豆腐の原料として全国トップクラスの評価も受けており、県農産課の永渕和浩課長は「農地管理を徹底することで天候の影響もある程度低減できる。収量アップにつながる体制をつくっていきたい」と話している。

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