下校時、スクールバスに乗り込む生徒=佐賀市の大和特別支援学校

■ルート、利用対象が課題

 佐賀県教委は、自力通学が困難な児童生徒の通学を支援し、保護者らの負担軽減を図ろうと、県立特別支援学校6校でスクールバスの運行を始めた。保護者の送迎で通っていた児童生徒のうち、13・4%に当たる70人がスクールバスを利用している。初めての取り組みで、運行ルートや利用対象の範囲といった課題も見えてきた。

 スクールバスは各校1ルートで、6月から運行している。現在は夏休み中で、9月から再び運行する。中型と小型が3台ずつで、金立特別支援学校ではリフト付きバス(中型)が回る。運行は五つの事業所に委託し、運転手と乗務員を1人ずつ配置した。乗務員に対しては、運行前に障害のある子どもたちへの理解を深めるための研修会を実施した。

 保護者の送迎で通う児童生徒は6校合わせて522人で、スクールバスは84人が希望し、実際に利用できるのは70人。希望しながらも利用できなかった理由として、複数の児童生徒が「自力通学が可能な生徒は対象外」などに該当した。使っている車いすが大きいため、小型バスに乗らないと判断し、希望を取り下げたケースもあった。

 利用基準では、月曜日の送り、金曜日の迎えが必要になる寄宿舎の利用者は対象外となっている。ただ、「今後の改善につながると期待して」という趣旨で、あえて利用を申し込んだ保護者もいた。

 「利用したい」という気持ちがありながら、希望を出さなかったり出せなかったりした保護者もいる。佐賀市の40代女性は「乗降場所までが遠かった。そこまでの送迎が必要であれば、学校までとあまり労力が変わらないから、希望提出を見送った」と残念がる。

 神埼市の眞浦由紀さん(46)は「ルートが南北1ルートのみ。当初は利用したいと思っていたが、エリアが対象外だった」と話す。「小5の息子がバスの中でおなかが痛くなったらとか、お友達が騒いだときの対応はなど、不安な面もあった」とする一方、「中高生になったら、自立に向けて利用したいという気持ちもある。東西、別のルートを作っていただければ」と改善に期待する。

 県教委特別支援教育室は「児童生徒や保護者、学校現場の声を聞きながら、より良い運行ができるように取り組む」としている。

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