有田焼の伝統技術を生かしたチェス駒を開発し「世界の有田焼の職人の技を売り込みたい」と話す原口隆社長(中央)=西松浦郡有田町の佐賀県窯業技術センター

有田焼の技術を使って開発されたチェス駒。金箔を張った品(手前左)など10種類が完成した

 有田焼の技術を使ったチェス駒を、西松浦郡有田町の陶磁器製造販売会社などのグループが開発した。職人が文様を手描きで施した趣のある品や、金箔(きんぱく)を使った金襴手(きんらんで)と呼ばれる華やかな品など10種類のセットが完成した。原料には佐賀県窯業技術センターが開発した世界最高強度の磁器材料を使用。7億人といわれる世界のチェス愛好家に、佐賀の伝統美と実用性を兼ね備えた駒を売り込む。

 焼き物で五輪選手の記念品などを手掛ける陶楽が、成型やデザイン開発ノウハウを持つしん窯と、強化磁器用の陶土製作技術がある田島商店に呼び掛け、共同開発した。最高強度の磁器材料を使った商品は初めて。複雑な形状や新しい材料を使ったため、型を使った成型に試行錯誤し、完成までに約8カ月かかった。

 駒はセットごとに赤や黒の釉薬を掛けただけのシンプルな物から、青一色で松竹梅や赤、緑を使ってボタンを描いたものなど多彩。有田焼の陶板を使ったチェス盤の周りを諸富家具の技術で囲んでいる。

 焼き物の駒はフランス・セーブルやドイツ・マイセンで作られ、珍重されているという。陶楽の原口隆社長は「400年を超える歴史を持つ有田焼の新たな世界を広げたい。有田の職人技を世界にアピールしていく」と意気込む。1セット40万円から120万円ほどで販売する。絵付けを担当したしん窯の伝統工芸士・橋口博之さんが13日から東京で開く個展などで披露する。

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