HIV感染者として、感染が発覚した当時の心境や、治療の進歩について話す洪久夫さん(右)=佐賀市のアバンセホール

「HIV感染者だからと偏見を抱いたり、差別しないで」と訴える洪久夫さん=佐賀市のアバンセホール

■周囲の無理解、生きづらさに

 17年前にHIV感染した洪(ホン)久夫さん(東京都在住)が、「HIVとともに生きる」と題し、僧侶古川潤哉さんと対談形式で講演した。

 洪さんはゲイ。日本では同性結婚が認められていないため、10数年前に当時の恋人と養子縁組を結び、戸籍上の名前が「洪」になった。しかしその後、洪さんのHIV感染が発覚し、パートナーが失踪。独りでHIVの恐怖と闘うことになり、「失望の日々だった」と振り返る。

 古川さんは「HIV=ゲイの病気」と思われがちな理由として、「コンドーム(避妊具)の使用頻度に原因がある」と説明。性感染症予防のため、現在ではゲイ・コミュニティーにおいても使用が常識化しつつあるが、洪さんは「自分にはうつらない」と軽視し、コンドームを使っていなかったと反省する。

 HIV感染症は長年「死の病」と思われていたが、現在では制御可能な「慢性疾患」に分類されている。長寿命化によって、今度は高齢者施設への入居拒否など、新たな問題が起き始めているという。

 「エイズが死ぬ病でなくなった今、患者にとって一番の生きづらさは周囲の無理解」と古川さん。洪さんも、「性的接触以外では、ほぼ感染しない。HIV感染者だからと差別したり、偏見を持たないで」と呼び掛けた。

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