5連覇を果たし、選手から胴上げされる小城市の野田正一郎監督。今年を最後に勇退する=佐賀市の佐賀新聞社前

■低迷乗り越え常勝軍団に

 5連覇に沸く選手・コーチの輪の中で、小城市の野田正一郎監督(51)=戸上電機製作所=の体が5度、青空に舞った。小城市を「常勝軍団」に育て上げる中で、後進に道を譲るために勇退を決めて臨んだ大会。有終の美を見事に飾ることができ、トレードマークの笑顔はことさら晴れやかだった。

 監督歴13年、選手・コーチ時代を含め、出場は32回に及ぶ。ただ、小城郡チームだった現役時代は「ほとんど最下位」の低迷期。コーチだった2000年に初の1桁順位になり、チームにようやく力がつき始めた05年に監督を受け継いだ。

 監督2年目が「小城市元年」。この年から順位は一つずつ上がる。「このころは追いかける立場で、監督をやるのがとても楽しかった」。若手育成や実業団の強化などでチームは波に乗り、11年には初優勝。その2年後から連覇がスタートした。

 それからはプレッシャーも感じるようになった。しかし、「いつも開会式前には、スーッとやれるような気になっていた」と振り返る。コーチら年代が近いスタッフも野田監督を盛り立てた。秋丸直俊コーチ(47)は「戦略面は適材適所で、勝つための配置がうまい」と評価する。

 練習では厳しく選手を指導し、大会中は選手がベストの状態で楽しんで走れるよう気遣う。今大会前にも「本当にやめていいのだろうか」と自問することもあったが、雰囲気が選手に伝わることを懸念し、複雑な思いを笑顔で封印したという。

 5、6年前から小学生の陸上教室を開いている。「小城の駅伝が伝統となるよう、歴史をつくる」と、ふるさとと駅伝への思いは熱い。県内一周駅伝の指揮は後輩に託すが、チームの連覇が続くよう陰から支えるつもりだ。

=春つなぐ県内一周駅伝=

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