「女性が声を上げないと社会は変わらない」と話す福岡県苅田町の吉廣啓子町長=鳥栖市の田代まちづくり推進センター

■「女性がもっと声上げて」

 九州で唯一の女性町長、福岡県苅田(かんだ)町の吉廣啓子町長(71)が鳥栖市で男女共同参画社会づくりについて講演した。「社会には男性が気付かないところがたくさんある。女だからと引くのではなく、もっと声を上げて行動しないといつまでも変わらない」と呼び掛け、女性の積極的な社会参画こそが地域を変えると訴えた。

 吉廣さんは高校教師をしていた40代のとき「もっと社会に関わりたい」と朗読ボランティアを始め、自ら町ボランティア連絡協議会を立ち上げて住みよいまちづくりに深く関わってきた。元々政争の激しい町で、前町長の汚職事件を受けて行われた町長選挙に請われて出馬し、現在3期目を務めている。

 当選直後、クリーンなまちづくりをしようと酒を一切飲まない、業者は町長室に絶対入れない、接待などの付き合いはしない-と三つのルールを決めた。「これだから女はね」と陰口もあったが、今ではすっかり定着したという。「業者とは付き合わないので顔も知らない。だから10年間やってこられた」とも述べた。

 町の将来に一番大切なのは人材育成と考え、保育料を補助したり、町単独で教員を採用して少人数学級を始めたり、小学校に専科の音楽と体育の教員を入れたりした。行政改革の最中だが「人づくりには予算を厚くしている。批判もあるが、これが女性ならではの政策と思っている」と語った。

 吉廣さんの町長就任前は「職員採用で10年以上女性が採用されなかった時代があった」と振り返り、「昨年は普通に試験をして女性ばかり4人採用した。女性だからという人事はしていない。全て能力主義に徹している」と強調した。

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