インタビューに応じる白水敏光教育長=佐賀県庁

 これまで行政職出身者が務めてきた県教育長に4月、教員出身として初めて就任した白水敏光氏(61)。学力向上やICT教育などの課題にどう向き合うのか。方策を尋ねた。

 -どんな教育、学校を目指すか。

 白水教育長 一番大事なのは、子どもたちは絶対に可能性を持っているということ。学ぶ楽しさを知り、生き生き活動をする、そういう中で可能性に挑戦する子どもを育てたい。

 -教員出身として県教育長に就くのは初。抱負を。

 白水 現場経験はあるが、小中高それぞれ事情は違うし、同じ学校でも昨年と今は違う。自分の経験だけでは駄目だと思っている。忘れたくないのは「聞く姿勢」。早急に現場に行き、見て、聞きたい。学校の様子を一番物語るのは、子どもの表情。それを基に工夫や改善をしたい。

 -11年目となった「全国学力・学習状況調査」。昨年は、小6の算数Aが全国平均と同じだった以外は下回った。県の総合計画では2018年度までに全てで全国平均を上回る目標を掲げるが、その方策は。

 白水 目標年度まで1年しか猶予がなく、非常に厳しい結果が出ていると認識する。学力を上げる要素は授業だが、子どもたちが生き生き学ぶ、そういった雰囲気づくりが大事。そこをどう醸成するかだ。

 活用力を高める研究校指定なども行ってきた。量ではなく、市町と連携し、精度を高めたい。現場に「教育委員会から学力向上だけを言われても…大変ですよ」という声があることも分かる。でも、学力向上がなければ、学校の中にあるほかの課題も解決できない。

 -昨年は教育情報システムが不正アクセスされた事件があった。セキュリティー対策を含め、ICT教育の方向性は。

 白水 コミュニケーション能力と情報活用能力はこれからの時代不可欠。情報セキュリティーは定期監査など、確実にやっていく。スタートから3年が経過し、検証が必要だ。変えるところは変える。具体的な時期や項目はこれからだが、検証作業を進め、効果的な活用法を探りたい。

 -障害がある子どもたちの教育環境の充実が課題となっている。

 白水 約30年、現場にいて感じたのは、とにかく子どもたちが多様化したということ。特別支援教育に対する保護者の期待も高い。1人の先生に集中しても駄目で、学校全体の理解を深め組織的に対応する。「安心して勉強できる」という環境づくりを一歩でも進め、支援したい。

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