【パリ共同】パリ中心部シャンゼリゼ通りの凱旋(がいせん)門付近で20日夜(日本時間21日未明)、自動小銃で武装した男が警官を銃撃し、1人が死亡、2人が負傷した。フランスのオランド大統領は「テロの可能性がある」と非難。検察がテロ関連の殺人容疑などで捜査を開始した。過激派組織「イスラム国」(IS)系のニュースサイトが「実行犯はISの戦士だ」と伝えた。事実上の犯行声明。男は犯行後、徒歩で逃走中に警察に射殺された。

 フランスでは23日に大統領選第1回投票を控え、パリ市内は厳戒態勢が敷かれている。選挙ではテロをはじめとする治安問題や移民・難民問題が争点になっており、今回のテロは有権者の投票行動に影響を与えそうだ。公式選挙運動の期間は21日までで、主要候補は同日の選挙活動を中止すると相次いで表明した。

 検察によると、男は20日午後8時50分ごろ、自動車でシャンゼリゼ通りに到着し車から降りた後、警察車両に向けて発砲。外国人観光客1人も軽傷を負った。在フランス日本大使館は「日本人が被害に遭ったとの情報はない」としている。

 捜査当局は一夜明けた21日、共犯者の有無やISとの関連などに関する捜査を本格化させた。

 男は検察のテロ部門の監視対象だった。地元メディアによると、39歳のフランス人。警官を殺害しようとしたとして今年2月に逮捕されたが、証拠不十分で釈放されていた。過去に警官らに対する殺人未遂罪で禁錮15年の有罪判決を受けたこともある。

 シャンゼリゼ通りはパリ随一の観光名所。事件後、警察が現場周辺を封鎖、一帯は騒然となった。フランスでは2015年11月に130人が犠牲となったパリ同時多発テロが発生するなど、テロが相次いでいる。今月18日には、南東部マルセイユでイスラム教徒の男2人がテロ未遂容疑で拘束された。

このエントリーをはてなブックマークに追加