多久聖廟の創建200年を記念したスタンプが押された絵はがき

 多久聖廟では、毎年春と秋に「釈菜(せきさい)」という、孔子や、その教えを引きついだ先哲にお供えをささげる儀式が行われています。市長をはじめ、議会議長、教育長、小中学校長および副校長、熟練者などが祭官を務め、雅楽演奏の中、甘酒や春は銀杏・秋は棗(なつめ)、栗・芹・筍の蔬菜(そさい)類と春は雉(きじ)肉・秋は鮒(ふな)、御飯、餅などを孔子像及び四配像(顔子・曽子・子思子・孟子)を供えます。雅楽を演奏する伶人(れいじん)は市役所の職員がつとめています。

 釈菜は1708(宝永5)年、多久聖廟が完成した年に始められ、以来300年以上にわたって連綿と受け継がれてきました。1995年に釈菜の舞が導入され、以前は紋付き袴であった伶人の衣装が現在は直垂袴に烏帽子をかぶるなど変わった点もありますが、お供えを盛る器は創建当時のものが使われています。

 写真は「明治四十二年五月二十三日 肥前多久孔子廟二百年祭 釈菜大典 紀念」のスタンプが押された絵はがきです。創建200年にあたる1908(明治41)年を挟み、07年5月より09年5月まで、礎石を交換し屋根を銅板葺に改めるなど大改修が行われました。

 改修を終えた聖廟の前に居並ぶ祭官たちの傍らには、大勢の子どもたちや人びとが集まり、地域を挙げて祝う様子が伝わってきます。

 多久聖廟の釈菜は1980年、佐賀県重要無形民俗文化財に指定されました。(多久市郷土資料館・志佐喜栄)

このエントリーをはてなブックマークに追加