戦時下の証言映像を交えて登壇者が意見を交わしたシンポジウム=佐賀市のアバンセ

 アジア・太平洋戦争の記憶をどう次世代に継承していくかを考えるシンポジウム(主催・佐賀新聞社)が12日、佐賀市のアバンセで開かれた。戦後71年がたち、戦争体験者の話を聞くことが難しくなる中で、大戦の惨禍と向き合い続ける意義などを話し合った。

 佐賀新聞社が連載した戦争体験者への聞き書き「刻む 佐賀・戦時下の記憶」に登場した人たちに映像で証言してもらい、登壇した佐賀県内の高校生と大学・大学院生が感想を述べた。

 戦場の実態を示す生々しい証言に衝撃を受けた佐賀大大学院1年の横尾健斗さん(23)は「『戦場には常識やモラルがない』という言葉に怖さを感じた」と話した。弘学館高校3年の鶴田晴子さん(18)は、サイパン島で自決を迫られ泣き出したという女性の証言に「『お国のために』といわれていても、死ぬことは怖いという気持ちはしっかりあったんだ」と、戦時下の印象を変えていた。

 助言者の吉岡剛彦佐賀大学准教授(法哲学)は「戦時と比べながら、今を問い直す材料にすることが、記憶を継承することになる」と指摘した。鬼嶋淳准教授(日本近現代史)は「戦争を繰り返さないため、戦争を体験していなくても記憶を分かち合い、共有する作業を続けていくことが求められる」と述べた。

 シンポは「刻む 佐賀・戦時下の記憶」の書籍化を記念して開催した。討論の前には、佐賀市の鍋島小学校4年生による音楽劇もあった。

※15日に詳報。

=刻む 佐賀・戦時下の記憶=

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